こんにちは、ティアフォーで認証認可基盤を開発している澤田です。2022年10月20日にドイツ・ミュンヘンで開催されたOry Summitに現地で登壇してきました。私にとっては初めての30分枠の登壇であり、初めての英語でのプレゼンテーションでした。この記事では、登壇の経緯や実際に現地で参加してどうだったのかを紹介します。

Ory Summitとは?
Ory SummitはIDスタックのOSSの開発・リードしているOry社が開催するカンファレンスです。Ory社の代表的なリポジトリとして、OpenID Connect ProviderのHydra、Identity ServerのKratos、Zanzibarを実装した認可システムのKeto、Identity & Access ProxyのOathkeeperがあります。第1回目の開催は昨年、オンラインで行われ、第2回目の今年はオンラインと現地ミュンヘンのハイブリッド開催でした。オンラインの参加状況はわかりませんが、EU圏内はもちろん、アメリカ、ニュージランドからも登壇されている方がいました。
Ory SummitではOry社からはもちろん、コミュニティメンバーの発表の場でもあります。セッションは全部で14つあり、1レーンで1日かけて開催されました。Ory社からはOry NetworkやもうすぐメジャーリリースするKetoのパーミッション言語の紹介、ゼロトラストの話などがありました。コミュニティからはOryの採用事例が多く出ましたが、他に脅威モデリングや他のOSS(Apache APISIX)とどうインテグレーションするかの紹介がありました。
全セッションはこちらから見ることができます。

会場様子。オクトーバーフェストの関係で市内のコロナ感染者が増えていたのもあり、人数が制限されていた
登壇決定までの経緯
2022年初めにティアフォーのID基盤をOryのOSSを使ってリプレースし、テックブログに投稿しました。
これをTwitterでOry社のアカウントにメンションしながらツイートしたところ、Ory社から「英訳してOry社のケーススタディに掲載しないか」さらには「Ory Summitでこれを発表しないか」と声をかけてもらったのをきっかけにProposalを提出。無事、Acceptされ登壇が決定しました。

ブログ自体は日本語だけど、ブログをアピール
英訳されたブログはこちら。
また、Ory社のスタックを採用しただけでなく、リプレースの過程でもOry社のリポジトリにOSS活動もしていて、接点があったのも声をかけやすい要因だったのかもしれません。
現地参加した経緯
Proposalを出した2022年ゴールデンウィーク時点ではオンラインで発表をする予定でした。というのも、当時はまだ日本に入国の際に陰性証明書が必要で、海外に渡航する心理的ハードルがあり、オンラインでも参加できるならオンラインでいいか、という考えでした。
時は流れて9月末日。たまたま久しぶりの出社をした際の社内での会話で何気ない一言で自分の意識が一変します。「へー、現地に行かないんですね」と。本人がどういうつもりで言ったのかはわかりませんが、大袈裟に言えば「せっかく登壇するのに現地いかないんですね。もったいない」というように聞こえました。たしかにもったいない。
調べてみると、10月から日本入国時に有効なワクチンを3回接種していると陰性証明書が不要、ドイツも特に条件がないことがわかりました。世の中がかなりコロナ前に近いところまで回復していることを感じ、「よし!現地に行こう!」と決心します。そこから現地に行きたいです、とチームリーダーに打診し、直前にも関わらず、出張扱いでミュンヘンに行くことができました。
発表準備
海外のカンファレンスではシンプルなスライドが好まれるため、普段作っている説明的なスライドを避け、シンプルなスライド、トークを多めにすることを意識しました。海外登壇に詳しい相談相手がいるのもティアフォーの良いところだと思います。
発表練習はトークスリプトを書いて、英文読み上げサービスに読ませて、発音やリズムを掴みました。さらに、発音が怪しい単語や文章は発音練習アプリに登録して、自分の発音をチェックしていました。
Q&A対策や現地で交流するために、英会話スクールに通い始めました。今回の登壇に向けて、という意味では付け焼き刃もいいところですが、それでもかなり効果はあったと感じています。
現地の様子
オクトーバーフェスト後ということで、市内の感染者数が増えていたという背景から、会場は50人に制限、陰性検査(検査キットは会場で配布)が必須となりました。その影響か会場の半分くらいはOryのメンバーでした。おかげで、CEOのThomasやCTOのAeneas (a.k.a hackerman) とも話すことができ、多くのメンバーと交流することができました。Oryのプロダクトを作っているのが、自分のPRをレビューをしてくれているがどんな人たちなのか、実際に会って、交流できたのは良い体験でした。

Thomas CEOとのツーショット

発表直前に私の緊張をほぐしに話しかけてくれている様子

おしゃれなオフィスの食堂
現地での発表
多くの登壇者がリモートでの発表でしたが、現地から登壇者が出ると、歓声など特別な盛り上がりがありました。そんなウェルカムな雰囲気の中での発表だったので、緊張はしつつも発表しやすかったです。この雰囲気を感じることができたのは現地ならではだと思います。

発表時の会場の様子
一番怖かった質疑応答もOry社の人が優しい質問を投げてくれたのも助かりました。(正直に言うと、質問を理解しきれず雰囲気で乗り切ってしまいました)
うまく発表できたとは思っていませんが、終わった後、現地で「パスワードのマイグレーションの話は参考になった」「ketoを使えば、良い感じに解決できるのは?」などフィードバックをもらい、総じて良い感じに終わることができたと実感することができました。またこの実感が「また海外登壇にチャレンジしたい」「もっとうまくプレゼンできるようになりたい」「英語でコミュニケーションが取れるようになりたい」と自分を駆り立ててくれています。
まとめ
- OryのOSSにコントリビュートしながらID基盤をリプレースし、それをブログにアウトプットすることで、登壇のチャンスを得た
- 英語に苦手意識があるからこそ、積極的に現地で発表しよう。ウェルカムな雰囲気の中、良い感じに終わることができた

登壇者特典でいただいたTシャツと赤ワイン
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