2026年09月14日
イベント

公共交通事業者向け「自動運転の導入に向けたセミナー」動画・資料を公開

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「自動運転の導入を検討したいものの、何から始めればいいのか分からない」そんな自治体・交通事業者の方に向けて、自動運転レベル4の導入に必要な基礎知識から、認可・許可、補助金、導入までのロードマップ、運用・保守までをまとめて解説したセミナーの動画を公開しました。

本動画では、実際に全国の自動運転プロジェクトを担当するプロジェクトマネージャーが、技術だけではなく、実際に運行するために自治体や交通事業者が検討すべきポイントを具体的に解説しています。2016年から全国100を超える地域で自動運転の実証・社会実装に取り組んできたティアフォーだからこそ蓄積できた実践的な知見を、具体的な事例を交えてご紹介します。

※この動画に含まれる概要情報は2026年7月2日のセミナー開催時点での情報であり、最新の情報はコーポレートウェブサイトの会社概要をご覧ください。

この動画で分かること

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1.自動運転の仕組みとAIの役割

ティアフォーの展開する自動運転は、事前に作成した3D地図とセンサーを用いて自己位置推定を行い、認識と経路生成にAIを導入しています。安全に関する判断は従来のルールベースで担保する構成を採用しています。

2.レベル4での走行に必要な3つのこと

レベル4で走行するには、国土交通省による走行環境条件の付与(認可)、公安委員会による特定自動運行(許可)、国土交通省の運輸支局による特定整備の3つが必要です。それぞれの申請先、手続きの順序、緑ナンバーでの有償運行までの流れを具体的に解説しています。

3.導入までのロードマップ

導入に向けて、車両導入、地図作成、認可申請、許可申請、定常運行の流れを解説。長野県塩尻市での事例をもとに、年次ごとの作業を具体的に示しています。

4.補助金と予算の確保

国土交通省、内閣府、都道府県の各補助金の対象と時期、併用による一般財源の使用の削減、前年秋から始まる庁内での調整と事前相談のスケジュールのイメージをご説明。

こんな方におすすめ

  • バスの運転手が不足しており、対応策を探している
  • 自治体と運行事業者でどう連携すればいいか分からない
  • 補助金を活用したいが、申請の方法、議会での説明、政府への報告に不安がある
  • レベル4認可の最新動向を把握したい
  • AIベースの自動運転技術について知りたい

Q&A

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当日は参加者の皆さまからさまざまなご質問をいただきました。講演資料では説明していない情報も含まれていますので、ぜひご参考ください。

AIを活用した
自動運転技術
AIを活用した
自動運転技術
運行設計領域
レベル4の
認可・許可
費用・補助金
運用・保守・
メンテナンス
広域での
取り組み
車両の種類
Q.路上駐車を回避する以外で、AIを活用した自動運転システムへの移行で解決できる技術的な課題はありますか?
A.AIを活用し、学習を進めていくことで、信号や矢印信号のない交差点での右折に対応できるようになります。従来は対向車を見ながら待ち続けることで、渋滞の要因になることもありました。また、今後は工事現場の回避などもAIで対応できるようになる見込みです。これからより多くのデータを取得していく中で、対応が難しいものが分かってくる可能性もありますが、基本的にはAIで対応していく予定です。
Q.今回新しく導入されたAIはどのようなものですか?
A.事前に3Dマップを作成し、車両に搭載されたセンサーで自己位置を特定しながら走行します。2026年3〜4月にAIを活用する方針へと移行し、認識と経路生成にAIを導入しています。安全に関する判断は従来のルールベースで担保し、AIとルールベースの良いところを活用した構成です。信号の認識は車両のカメラで対応しており、信号との連携はお台場では行っていないものの、他の地域での事例はあります。
Q.AIの学習データ量は十分ですか?
A.自社評価で十分と判断したうえで実装する予定です。今年度は5〜10kmの走行ルートとし、自治体とともに来年度のレベル4の実装に向けた計画策定を進めています。
Q.寒冷地や降雪には対応していますか?
A.現状雪への対応は開発が十分ではなく、運行設計領域(Operational Design Domain:ODD)を決めるうえでも制約になっています。今後地域ごとにデータの取得と学習を行い、雪にも対応できるようにし、国土交通省と警察庁に認可を申請する際に「どの程度の降雪なら走行するか」を条件として追加していきたいと考えています。雪に対応するには、走行する地域での学習という過程が必要となります。
Q.インフラの協調やODDの構築には何が必要になりますか?

A.インフラの協調を実施している場合もありますが、現在は地図と車両、AIとルールベースの活用で走行することを目指しています。これまで信号との連携をしていたケースもありましたが、今後はそれをしないで走行することが増えると考えています。

 

カメラの性能とそれによる信号の認識の精度は年々向上しており、カメラの性能の向上でカバーできる範囲は広がります。一方で、AIであらゆる場面に対応できるわけではなく、見えづらい場所や整備されていない場所ではインフラの協調が必要な場合も出てきます。可能な限り車両のみで対応することを基本的な方針としながら、車両単体で対応できない場所を現地で洗い出し、インフラの協調やODDの設定で対応することを考えています。

Q.交差点での走行はODDとしてどう認めてもらうのですか?
A.ODDとして認めてもらうのではなく、「例えばこの交差点をカメラで50m先まで検知し、こういう場合は走行する」という書類を複数種類作成し、国土交通省に提示します。他の自治体と同様の環境であれば、その自治体向けに作成した資料を流用し、「ほぼ同じ交差点において同じ技術を用いて同様に解決する」として、効率化していきます。国土交通省にもこの対応の方針は伝えています。
Q.中山間地や高低差のある場所、坂道のルートでの課題はありますか?
A.手動運転の場合でも高低差や坂道の影響はあります。特に乗り心地への影響があるため、アクセルオンをなるべく滑らかにするなどの作り込みを進めています。センターラインがなく譲り合いが必要な狭路の場合は、自動運転システムの学習のために一定の期間時間を要します。一方で、市街地と比べて交通参加者が少ないため、導入しやすい面もあります。他の自治体と比べて導入時の費用の面で負担が大きく見えやすい傾向にあります。
Q.必要な認可と許可はどのようなものですか?

A.大きく3つあります。

 

  • 国土交通省による走行環境条件付与(認可):走行ルートの技術課題を解決したうえで、自動運転車両を開発するティアフォーから申請します。
  • 公安委員会による特定自動運行(許可):運転席を無人とする走行を前提に、交通事業者が主体となり、オペレーション、ダイヤ、走行条件を提出します。
  • 国土交通省の運輸支局による特定整備:現地の整備工場にレクチャーを行い、故障やトラブルが発生した時に整備できる体制を構築します。

その後、国土交通省による一般旅客自動車運送事業において緑ナンバーを取得したら、有償の交通サービスとして運行できます。

 

自治体や交通事業者により期間が変わりますが、標準的なロードマップは4年です。

 

  • 1年目:車両導入、地図作成、初期AI学習(AI学習用の走行は合計約5ヶ月、初年度は約2.5ヶ月)、現地ドライバーの訓練、一般試乗
  • 2年目:後期学習、レベル4向けのモデル構築、認可の申請と取得、特定整備の申請とレクチャー
  • 3年目:許可取得に向けた走行、交通事業者との運行体制とスケジュールの策定、公安委員会への事前相談、許可の申請と取得
  • 4年目:定常運行、緑ナンバー取得

原則地域ごとの申請ですが、自治体Aで実施済みの内容は自治体Bでは差分のみの申請にしていくことを目指しています。

 

また、ティアフォーでは、昨年度長野県塩尻市でレベル4の認可と許可を取得し、塩尻駅〜市役所間を運転手を乗せずに無人で走行する支援をしています。

Q.中山間地での認識の精度はどれくらいですか?
A.AIの活用により、中山間地での認識の精度が向上することが見込まれ、ある程度は対応できる見込みです。今年度が初年度のため、今年度にデータを取得し、来年度以降に認識の精度を上げてレベル4の認可と許可の取得を進めていく予定です。
Q.ランニングコストのパフォーマンスが最も良い事例を紹介してほしい
 A.通常のバスの運行と比べて自動運転システムとハードウェアの保守などが加わるため、現在は1路線での比較では自動運転を導入する方が高くなります。今後は1路線ではなく複数路線で導入し、1路線でバス1台に運転手1人だった体制に対して、1人でバス5台を監視する遠隔監視型にすることで人件費を削減していくことを目指しています。また、廃線や減便を防ぎ路線を維持できることや、日中に加えて朝夜も運行できることによる収入面の増加、公共交通の手段を維持するという観点も重要です。コストの構造だけで見れば通常の運行やデマンド型での運行の方が安価ですが、人口が減少する中で人手に依存する構造をどう解決するのかの手段の1つが自動運転であり、複数台を導入するアプローチが重要になります。 
Q.補助金にはどのようなものがありますか?

A.主な補助金は4つあり、これらを併用することで自治体や交通事業者の一般財源の使用を削減できます。

 

  • 国土交通省の自動運転関連の補助金(年間約2〜4億円、補助率4分の5)
  • 交通空白の「リ・デザイン」関連の補助金(実装フェーズ向け)
  • 内閣府地域未来交付金(1次と2次の併用も増加しています)
  • 都道府県独自の補助金

国土交通省の補助金に申請する流れには5つのステップがあります。

 

  • 予算の骨子が固まる前年秋までに、自動運転を導入する意思決定、複数年にわたるロードマップ、金額の充当を実施
  • 庁内での調整、交通事業者との将来的な運行を含む合意形成、地域関係者への事前周知を実施
  • 庁内で決裁された後、国へ事前に相談し、公募開始前までに意思表示を行う
  • 公募が開始されたら、申請書類を提出(例年2月、3月、4月のいずれかで、締切は約1ヶ月後)
  • 交付が決定した後、走行を開始

1年目に車両の購入を行わず、導入計画を作る調査事業のみを実施し、その結果を踏まえて可否を判断した後、2年目以降に予算を取るという段階的なアプローチを採用するケースも増えています。

 

国土交通省の自動運転関連の補助金の採択件数においては、ティアフォーのシェアは2023年度は16%、昨年度は約50%となっており、国内を走行する自動運転車両の約半数にティアフォーが関与しています。

Q.車両の清掃や車検、メンテナンスはどうなりますか?

A.清掃については、車内は通常の車両と同じです。これに加えて、カメラを含むセンサーに付着した埃などの拭き取りが必要となり、運行会社にて実施いただきます。清掃の頻度は通常のバスと同じで、毎日朝礼後に清掃してから走行する形です。

車検については、通常の車両と同じです。ただし、ティアフォーのパートナー企業からセンサーの取り扱いについて1〜2日の研修を実施し、現地の整備工場で3ヶ月点検と車検が行えるようにします。

メンテナンスについては、レベル4を取得した際に、現地の整備工場にレクチャーを実施し、そちらで車両の修繕と整備を行っていただきます。

Q.広域での自治体で取り組んでいるモデルケースはありますか?

A.これから推進していく段階ですが、昨年度広島県が県内の市町を対象に調査事業を実施し、コンソーシアムを組む計画を進められており、今後モデル化していく見込みです。ティアフォーとしても、費用の削減、品質の担保、導入のパッケージ化という観点から、市区町村ごとではなく都道府県や広域での複数の自治体との取り組みを重視しています。

Q.タクシーでの実績はありますか?
 A.スズキのソリオを自動運転車両にして、昨年度国会定期便として経済産業省の庁舎から内閣府の施設まで走行したことがあります。今年度以降の展開はこれから調整していきますが、タクシーでの自動運転走行のご希望があればご提案が可能です。 
Q.e-Paletteや小型バスはどう使い分けしていますか?導入先行事例はありますか?
 A.e-Paletteはトヨタから提供される車両のため、トヨタからの公式のプレスリリースをご参照ください。小型バスの使い分けや導入先行事例は今後出てくる見込みです。情報を提供できるものがあれば別途共有いたします。 

講演者情報

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北村 涼馬
社会実装事業部 セールスマネージャー

2024年8月よりティアフォーに参画。自動運転の実装を目指す自治体や企業への営業および社会実装支援を担当 。新木場〜海の森公園の定常運行をはじめ、広島市、千葉市など全国各地の大型プロジェクトに携わり、直販での受注やプロジェクト推進を牽引。

 

お問い合わせ

自動運転の導入にご興味がある方は、ぜひ「l4ride@tier4.jp」にお気軽にお問い合わせください。